化粧品のBGとは?保湿・抗菌などの役割と安全性を解説

2026.10.08

  • 二価アルコール
  • 安全性が高いが、稀に合わない人もいる
  • 主な配合目的は保湿・防腐補助・溶剤

BGとは?

2個のヒドロキシ基(-OH)を有する二価アルコールで、多価アルコールの一種です。医薬部外品では、「1,3-ブチレングリコール」と表示されます。

「アセトアルデヒド」から合成する石油由来のものと、発酵エタノールから合成する植物由来のものがありますが、どちらも化学構造は同じです。したがって、成分としての性質も同じです。

「水素結合」といって、水をゆるく引き寄せる特徴を持ちます。

BGが化粧品に配合される目的

配合目的

  • 保湿
  • 静菌・防腐補助
  • 溶剤・抽出溶媒

BGの配合目的は、3つあります。

保湿

水をゆるく引き寄せることで蒸発を防ぐ作用による、保湿効果が化粧品に利用されています。

ただし、単体での水分保持力は極めて低いため、他の保湿成分などと組み合わせて使用するのが一般的です。

抗菌・防腐補助

BGには、微生物が育ちにくい環境を作る「静菌」の働きもあります。静菌とは、抗菌の一種です。殺菌ほどの強い効果ではないものの、菌の繁殖を抑える効果が得られます。

BGが抗菌効果を発揮するのは、緑膿菌と大腸菌です。

そのため、防腐補助の目的で配合されることも多く、防腐剤と併用することで、防腐剤の使用量を減らせるメリットがあります。

パラベンフリー設計にするための抗菌成分としても、よく使用されています。

なお、BGは化粧品基準上の「防腐剤」には該当しないため、防腐剤不使用としたいときの抗菌成分としても使用できます。

溶剤・抽出溶媒

BGは、他の成分を製品内に溶け込ませるための溶剤としても使用されます。主には水性成分の溶剤ですが、一部の油性成分に対しても、溶解性を向上させる働きを持ちます。

また、植物からエキスを取り出すための「抽出溶媒」として使用されることもあります。

BGは皮膚刺激の懸念が少ない成分

BGの安全性については、ごく稀に非常に軽度な皮膚刺激が確認されるケースがあるものの、基本的には刺激性の低い成分と考えられています。

※参考文献:Journal of the American College of Toxicology(1985)8 Final Report on the Safety Assessment of Butylene Glycol, Hexylene Glycol, Ethoxydiglycol, and Dipropylene Glycol

BGが肌に合わないことがあるのはなぜ?

BGは安全性の高い成分とされていますが、稀に肌に合わない人がいます。過去の実験データとは別に、私の体感としても、苦手と感じている人が比較的多い成分という印象です。

ここからは私の推測になりますが、BGの皮膚刺激の主な原因の一つとして考えられるのは、分子量が低いことです。

一般に、分子量が500Da(ダルトン)以下の物質は、角層を通過しやすいとされています。これをダルトンルールといいます。

BGの分子量はそれよりずっと低い約90Daしかないため、角層に浸透しやすいと考えられるのです。肌に浸透しやすいことは、刺激の起こりやすさの一要因となります。

また、実際の浸透性は、他の成分との組み合わせ方などによっても変わります。

たとえば、乳液のように乳化剤(界面活性剤)と一緒に配合した場合は、界面活性剤の作用によって、浸透性が高まることがあります。そうした処方では、BGの刺激が起こりやすくなる可能性も考えられます。

※参考文献:Bos JD, Meinardi MM(2000) The 500 Dalton rule for the skin penetration of chemical compounds and drugs